大阪に本社を置く、クリニック・薬局などの医療関連専門の建築会社株式会社コンパスです。

保険調剤薬局①~保険薬局の開業の流れ~

私のように何件もの保険調剤薬局の開業の新築や新装のお仕事をしていると解ってくるのですが、最初に薬局を開業されようと思われる方の場合、そのオープンまでの基本的な流れや仕組みをご存知でない方がほとんどです。そんな方のサポートをする時に、私は最初にオープンまでの流れを説明しますが、ここでは簡単にその時に私がご説明するような話をまとめさせていただきました。


保険調剤薬局を開設する時、その業務内容により、諸官庁や組織に下記のような申請書・届出書等を提出しなければいけません。

○保健所

薬局開設許可申請書、毒物劇物取扱責任者設置届、毒物劇物一般販売業登録申請書、
麻薬小売業者免許申請書、薬局製剤関係申請書、結核予防法指定医療機関指定申請書、
特定疾患・小児慢性特定疾患治療研究事業委託契約書、原子爆弾被爆者医療機関指定申請書、
医療用具販売業届出書 など

○社会保険事務局

保険薬局指定申請書、保険薬剤師登録申請書(異動届)、基準調剤の施設基準に係る届出書、
在宅患者訪問薬剤管理指導届 など

○薬剤師会

薬剤師会入会届、薬剤師会試験検査機関契約書 など

○障害福祉関連

更生医療機関指定申請書、生活保護法医療機関指定申請書 など

○労働基準監督署

労災保険指定薬局指定申請書 など


これらの届出先や申請先、届出内容等は、地域や薬局で行なわれる業務によって異なる場合がありますので、所轄関連機関への問い合わせが必要です。また、保健所と社会保険事務局については、実際に開業する薬局に来て検査を行ないます。

保健所の検査は基本的に「機能」(薬局機能を満たしているか)や「構造」(不潔とならない構造になっているか)などを中心に見て、この検査で問題がなければ、保健所から薬局の開設許可が正式におります。しかし、こうして「薬局」がオープンできても、この状態では社会保険の適用がされません。

保険を適用できる薬局となるためには、社会保険事務局に保険薬局としての指定を受けなければいけません。社会保険は私達日本国民が健康でいられるためにかけている保険ですから、本来、その支払いは平等である必要がありますし、何らかの権力による圧力で特定の誰か(或いは特定の組織)に利権を与えてはいけないものです。そうした視点で考えた時に、社会保険事務局にチェックされる重要な項目は、「保険を適用されるべき薬局の経営、施設となっているか」や「医師が発行した処方箋がある特定の調剤薬局だけに行かないようになっているか」などです。今の日本の実情を考えると、「あれっ?」と疑問をお持ちになる方も多いと思いますが、それが本来の姿なのです。社会保険事務局は、書類チェックと検査により、それらに問題が無い事を確認できれば、委員会を経て保険指定を行ない、そこではじめて「薬局」は「保険調剤薬局」となります。

尚、今までに私がお手伝いさせていただいた物件の中には、地域の薬剤師会がチェックにきた例もありますので、地域や物件、状況によっては、他の機関もチェックにくる可能性がありますので、十分に事前確認が必要です。


次に保険調剤薬局がオープンするまでにどのくらいの期間が必要かときかれる事が多いのですが、保険調剤薬局をn月にオープンしようと考えた時、どう言う工程で準備をしていくかをオープンから遡って考えてみましょう。

n月1日 保険(調剤)薬局オープン(保険指定を受ける)

保険指定はたいてい毎月1回1日に行なわれるので、n月の半ばや終わりに保険調剤薬局をオープンしようと考えても、その月の1日には指定を受けていなければいけません。ちなみに保険指定を受けるまでは調剤薬局ではないので、看板に「保険調剤」などの保険指定を受けている旨の掲示はしてはいけません。尚、稀に何らかの問題があって、保険指定が受けれなかったり、1~2ヶ月延期されたりする場合があるので、事前相談などはきちんとしておいた方が確実です。

(n-1)月末頃 社会保険指定の審査会

各月の末(20~25日頃?)に社会保険指定のための審査会が行なわれます。この審査会をパスすれば、基本的にはn月1日保険薬局としてのオープンが可能です。

(n-1)月15日頃 社会保険事務局の現場検査

社会保険を適用するに当たって問題がないかどうかを担当者が現場に検査をしに来ます。提出した書類や図面と相違が無いか、また近隣の医療機関との物理的、金銭的、血縁的なつながりが無いかなどを確認します。尚、検査の時期は地域によって違うので事前に確認が必要です。

(n-1)月10日頃まで 社会保険事務所に開設届・保険指定申請書を提出

「薬局に保険指定して下さい」と言う旨の申請書を社会保険事務局に提出します。

(n-1)月1日~10日頃まで (保険指定が行なわれていない)薬局の開設

保健所からの許可が下りれば、一般薬局の営業はこの日から可能です。

(n-2)月20日頃 保健所の検査

保健所により、薬局の衛生面などを確認する検査が行なわれます。この時には、基本的に内装工事等は完成しておかなければならず、調剤機器類も納品されている必要があります。尚、検査の時期は地域によって違うので事前に確認が必要です。

(n-2)月10日頃 薬局開設許可申請書などの提出

保健所に薬局開設許可申請書などを提出します。書類には薬局の平面図や求積表などを添付しますが、地域や薬局の規模によっては、検査のときにスケールで、現場を測る可能性もあるので正確な数値が望ましいです。この時には、薬局名はもちろん、電話番号なども決まっていのが望ましいです。

(n-3)月下旬頃 薬局の内装工事の着工(テナント工事の場合)

薬局の内装工事の工事期間は、テナント工事の場合、規模や工事内容にもよりますが、通常、1ヶ月前後です。保健所の検査の際に、調剤機器などの備品類が納品されている必要があるので、そうした流れを汲みながら工程を調整します。

(n-3)月中旬頃 薬局の内装工事の請負契約

内装工事の着工までに、材料発注や近隣挨拶などの準備期間として、1週間~10日ほど必要になるため、工事に着手する10日位前には工事の請負契約を結びます。

(n-3)月初旬頃 薬局の内装工事の見積の提出
(n-4)月中旬頃 薬局の内装工事の見積依頼

工事の見積は(内装工事の場合)、通常、10日~2週間かかります。また見積提出後、価格や仕様の調整を行なう必要があるため、工事契約予定日の10日~2週間前までには、最初の見積を提出します。

(n-5)月初旬頃 薬局の内装設計の開始

薬局の内装設計の期間は、テナント工事の場合、規模や工事内容にもよりますが、通常、1ヶ月前後です。但し、調剤機器メーカーやその他の関連の業者との打合せやテナントの家主さんなどとの打合せを考えると更に半月くらいは必要となります。


これらの期間は、比較的標準的なテナント開業のケースですが、あくまで目安です。
通常、はじめて調剤薬局を開局する方の場合は、オープンの5~6ヶ月前からこうした準備をはじめていくのが理想ですが、案件自体にややこしい事情が絡む場合は、もう少し前から調整する場合もあります。
実際に当社にご相談いただいた例で、直前にご相談をお持込になって、プランニングから工事金額から全て当社にお任せで最短でオープンさせるというような開業の仕方も何度かありました。そうしたケースでオープンさせた場合でも、保険薬局としてのオープンの2ヶ月半前には打合せを始めないと間に合いません。
調剤薬局の場合、近隣の医療機関との連携もありますので、余裕を持った工程ですすめられるのが望ましいでしょう。

株式会社コンパス 長渡和久(一級建築士)

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